ギター講座(12)高速の16ビート・ストロークを攻略
16ビートは高速で弾くのが難しいもの。右手が付いていかず、力尽くでやるとピックは引っかかるし、音は汚くなるし、いいことなしです。ここでは攻略法を紹介します。
基本的なやり方
ピックを握りしめない
弦の抵抗に負けてピックを落としたり、サウンドホールから中に入ったりしてしまうのが、高速でのストロークではあるあるです。それが嫌で強く握りしめると、ますます抵抗が強くなってしまい逆効果。親指と人差し指で軽く握っておきましょう。
親指と人差し指で軽く握る。人差し指は正面ではなく、親指側の側面にピックを乗せるイメージ。親指と人差し指で輪っかが作れているのが正しい持ち方です。
こちらはだめな例。親指と人差し指の間がぐちゃっとくっついていたり、落とすのが嫌で中指を使って3本で持っていたり(こうなっている人は多いです)は基本的にアウト。
歴史的なギタリストには色々な持ち方をしている人がいますが、初心者が急に彼らの真似をするのはあまりいいことではないので、一応基本的なやり方を覚えておきましょう。個性的なところを求めるのはある程度弾けるようになってからでも遅くないと思います。
手首で振る
前の項でも動画付きで紹介していますが、手首から先をメインに動かすのが高速ストロークのやり方。腕から力づくでいくと一曲経たないうちに疲れてしまいもちません。
下の動画では緑色の丸の部分が動いているので、そこに注意しつつ見てください。
「水を切る動き」などと言われることもある手首の動きの練習には、こういうのがおすすめ。
左手で全弦をミュート(触るだけで押さえない)し、右手でひたすら16分音符を振ります。できればメトロノームやドラムマシンなどを使って一定で振る練習をすると効果絶大。ある程度の速さで鳴らし続けてもピックが一切ズレなくなれば完璧。
本当は集中してやる方がいいに決まってますが、なんせ退屈な練習ですので、普通にやってると10分も経たないうちに嫌になるでしょう。ものぐさな人はテレビでも見ながら振ってください。運動の部分なので、頭を使わず手を動かしてるだけでも効果はあります。
全弦鳴らそうとしないこと
ギターの弦は6本ありますが、そのうちの2,3本だけをヒットする感覚で振ります。2〜4弦あたりを狙うと、程よく周辺の弦にもあたり、シャラシャラした爽やかな16ビートになりやすいです。
上の動画では基本的に狭い幅で振りつつ、アクセントの時だけ瞬間的に少し大きくなっていますが、意識の上では弦上の真ん中付近を中心に狭く振っているイメージです。
実戦してみる
スピッツ・ロビンソン風
スピッツ「ロビンソン」のイントロ風。カポ2fが原キー。コードでいうとBm7が難度高し。右手の練習に特化するならBm7は簡単バージョンでもいいでしょう。
途中にシンコペーションがあるので、3拍目の頭の部分は空振りですが、サボらずにしっかりと。そうすることで拍の頭が取れるようになってくるので、安定した16ビートを演奏できます。
足で拍を取っている場合はここの部分、空振りと同時に踏むことになるので、右手につられて狂わないように注意!
シンコペーションについては、あとの記事でも詳しく紹介中です!
あいみょん・マリーゴールド風
カノン進行のイントロをモチーフとしたコード進行。Aメロもほぼ同じ進行です。上のロビンソン風と同じリズム。コードはFがありますが、こちらの方が簡単でしょう。曲調的にも爽やかさが要求されるので、軽やかに振れることが絶対条件です。
ゆず・夏色風
サビのコード進行をモチーフとしています。原曲は3カポですが、動画では付け忘れました…。ちなみにイントロにはかなりエグいシンコペーションが入っていますが、それはまた後ほど。
さいごに
弾いている人はとても楽そうに軽やかに弾いてるのに、自分でやってみると到底追いつかない…、これぞ高速16ビートストロークのジレンマ。楽そうにやっている人はやせ我慢しているのではなく、本当にラクにして弾いているのです。力づくでいかないのが第一の命題でしょう。どうしても引っかかるという人は、薄いピックで慣れていくのも一つの手です。
カッティング奏法も右手の動きはほぼ一緒なので、これができると色々応用も効きますよ。