分数コード(オンコード)の種類について

前回の記事では分数コードの働きについて詳しく解説しました。

分数コード(オンコード)の役割

今回は分数コードの種類について。それぞれの種類を把握すると、働きも見えやすくなります。

転回形

まず第一にコードの転回形である場合。転回形とはコードの構成音を並び替えたもののことです。

コードの構成音のうち、ルートではない別の音が最低音のルートに移動したものがこのタイプで、構成音はもとの和音と全く同じなので、響きはあまり変わりません。なので、このタイプの分数コードは弾き語りなどの場合、省略しても違和感が出ないことが多いです。

とはいえ、7thがルートに移動したもの(G/Fなど)はわりと差を感じますので、モノに依るといったところ。

コードの構成音以外がルートに来る場合

注意すべきはこちらの場合です。まずは下の図を見てください。

これらはもとのコード(分子)に存在しない音がルートになっています。どこから来たのかという感じですね。

分数コードの役割

前回の記事でやった分数コードの役割についておさらいしましょう。

1.ルートをなだらかに下降または上昇
2.同一のルート音が続く
3.7thコードの代理

この3つがありました。

転回形でないこのタイプの分数コードは、このうち2,3のときに出てくることがほとんど。特に3の場合は確実に非転回形タイプとなります。

このタイプの注意点

このタイプの分数コードはもとのコードに存在しない音が足されることで、かなり違う響きになってしまっていることがあります。そのため、省略して分子のところだけを弾くと高確率で違和感が出ます。

Dm7/GはDm7とは響きも役割も全く違い、強いて言えばG7sus4と近似なのでG7sus4に置き換えられますが、これを知っている人ならそもそもDm7/Gのままでも押さえられるでしょう。というわけで、このケースでは省略は勧められません。

まとめ

二種の成り立ちを知っていることで、コード進行の理解がより深まるので、興味のある方は出てくるたびにどちらなのか考えつつ演奏してみると良いと思います。

転回形の場合は省略しても違和感が出にくいですが、いずれにせよやった方がいいのは言うまでもありません。特にフィンガー・ピッキング時はマスト。作り方がわからない人は以前の記事も参照に、分数コードを押さえられるように把握しておきましょう。

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