ペンタトニック・スケールとは何か
ギタリストが始めに見ることになるペンタトニック・スケール。あらゆる音楽でも基本とされるこのスケールについて、基本知識をおさらいします。ペンタとはそもそも何なのか、素朴な疑問が知りたい方は是非先をごらんください。
ペンタトニック・スケールとは
ペンタトニック・スケールはざっくりと言うと、普通のメジャー・スケール(ドレミファソラシ)やマイナー・スケール(ラシドレミファソ)から音を2つ抜いたものです。
メジャー・スケールから音を2つ抜いたものがメジャー・ペンタトニック、マイナー・スケールから2つ抜いたものがマイナー・ペンタトニックになります。
抜く音
メジャー・ペンタトニックではメジャー・スケールの第4、7音
マイナー・ペンタトニックではマイナー・スケールの第2、6音
この音を抜いたものがペンタトニックとして使われます。
例えばCメジャー・ペンタトニックだと、Cメジャー・スケールである「ドレミファソラシ」の第4、7音、つまりファとシの2つが削られたものです。
ペンタとは5の意味(ちなみに3はトリ、4はテトラ)で、1オクターブに5音しか存在しないため、”ペンタ”トニックの名が付けられています。
ペンタトニックが使われるわけ
ブルースに必須のスケールである
現在、エレキギターといって想像できるほとんどの奏法やスタイルは、ロックやブルースをルーツとしています。
ペンタトニックはブルースで頻出するスケールで、微妙に音程をずらすチョーキングの奏法と相まって、大変にブルースを感じさせる音階です。さらにロック自体がブルースにルーツを置くため、初期ロックンロールよりペンタトニックを主体としたメロディがギターでは多く使われてきており、それが現代まで引き継がれています。ブルース調のギターソロがエレキギターっぽいメロディであるという潜在的な認識もあり、当たり前のように使われるため、ペンタトニックはギターとは切り離せない重要な音階になっています。
【ペンタトニックだけで構成されたソロ例】
ギターと相性が良い
ペンタトニックはギターで弾くのが大変簡単なスケールです。多分ドレミファソラシドを弾くよりも半分ぐらいの難易度で弾けます。この覚えやすさ、使いやすさがギタリストとペンタトニックとの親和性の高さを生んでいます。
このように、メジャー、マイナー・スケールは一弦につき3音入れないといけないところがあり、スケールの把握が難しいのですが、ペンタトニックでは一弦あたり2音で弾けてしまいます。
ペンタトニックのルーツ
ペンタトニックは地域、人種も民族も違うあらゆる音楽に統一的に登場している唯一の音階で、人間のDNAに刻み込まれていると言っても良い存在です。メジャー・ペンタトニックは日本的にはヨナ抜き音階と呼ばれ、古くから愛された音階ですが、同じ音階がスコットランドやアイルランドの民謡にも登場します。
人間が生まれながらに持っている唯一の音階と呼ばれることさえあるペンタトニックは、音楽の基本となる音階なのです。