ソロギター制作講座〜大きな古時計・前編


アコギ奏者憧れのソロギター。メロディの中に入り乱れた伴奏をこなしながら演奏するのはそれなりの技術が必要ですが、今回はそれを自分で作ってみようという企画。

誰でも知ってる「大きな古時計」を題材にソロギターの成り立ちとちょっとした作り方などをレクチャーします。全2回の予定です。

ちなみに指弾きやコードのルート音など、最低限の知識は必要だと思うので、その辺がまだあまり分かっていないという人はこちらもあわせてどうぞ。

ギター講座(10) オンコード、分数コードについて

まずはコードとメロディ

コードとメロディがわからないと何も始まらないので、まずはそこからです。

曲のキーはソロギターで弾きやすいものにしないとだめなので、メロディの音域とルートの場所を色々考えて決めます。今回はメロディの音域はやや低いところに来てしまいますが、難易度を下げる目的もあってキーはCに決定。

この曲はコード進行の自由度がかなり高いですが、今回は初級向け制作編なので、僕の独断で簡単なものを付けました。後編ではリハモのバージョンを取り上げていて、そちらではちょっと複雑なコードを付けています。

キーはどうするの?

キーを決める最大のポイントがメロディの音域。ノーカポで最高音域は10f程度までには抑えたいところです。その上、最低音域が2弦ぐらいまでであればアレンジしやすいです。メロディが低いところに来すぎるとアレンジが難しくなります。

出てくるコードも重要ポイントで、キーがC、Gだとコードが簡単になります。A、Dだと開放弦が活かしやすく、ドロップDチューニングのアレンジも視野に入れられます。フラット系のキーは必要に迫られない限り(曲中に転調するなど)おすすめしません。原曲キーにこだわる場合はカポの使用を前提にしましょう。

ベース音を入れる

メロディにベース音を入れます。コードが変わるタイミングでベース音を一音ずつ追加。

単純な考え方なので、自分でペンを持って書いていけばすぐにできるでしょう。この曲はメロディの音数が多いので、そのままでも結構ソロギターっぽくなります。

コードのハーモニー部分を入れる

ベース音だけだとまだスカスカなので、コードの内声部分を入れます。メロディの入ってない隙間のところにコードの音を入れていくわけですが、今はまだコードの構成音まで意識する必要はあまりないでしょう。入れやすい音や弾きやすい音を入れるだけで隙間が埋まっていき、良い感じになります。

赤丸のところがコードの内声として増えたところ。完全に必要最小限に入れただけですが、これだけでも随分と演奏が厚くなっているのがわかります。一段目の右端はメロディが一旦途切れるので若干のアレンジ。

ルート音にも若干の工夫を凝らしています。青丸の部分がそうですが、前後のつながりをよくするために3度の音を経過音として挿入していたりします。

そして実際の演奏がこちら↓↓

注釈なしの譜面はこちら

まとめ

というわけで、今回はここまで。最後に置いているできあがりの音源を聴くと、この時点でも結構そこそこ形になってるのが分かると思います。本当に慣れてくるとこの辺りまでは即興で弾くことも出来るようになります。まずは簡単な曲からトライしてみてください。

教室ではこの辺りを掘り下げたレッスンもやっていますので、興味のある方で大阪近辺に在住の方はぜひどうぞ。

後編ではさらに凝った内容が登場します!

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