エレキギターのブリッジを交換しました
今から15年ぐらい前に尼崎のSago New Material Guitarsでオーダーしたギター。当時はまだ設立後そんなに経っていなくて、このギターも30万円を切るぐらいの値段でした。今はとんでもない価格になってますね…
当教室に来られている生徒さんには見たことのある人も多いであろうこのモデルの、ブリッジを交換した話です。
ブリッジ交換の理由
もともとこのギターにはWilkinsonのVSVGというブリッジが付いていました。これはこのギターの更に前のメインであったヤマハのギターにも付いていて、当時気に入っていたのでオーダーの際にわざわざお願いしてつけてもらったのです。
さてそれがかれこれ15年ぐらい前の話で、15年も経つと人間いろいろな趣味や嗜好も変わってこようというもの。VSVGの持つキラキラした高音域にはだんだん飽きてきました。このブリッジはもともとヴィンテージ傾向の強いブリッジで、オールドなストラトのようなサウンドを志向する際に好まれるものです。
トレモロユニットとチューニング
交換先はGOTOHのNS510というシリーズのもの。VSVGとは違って二点支持という部分が最大の差になっています。下の写真はゴトーではありませんが、二点支持のもの。
エレキギターのトレモロユニットは弦の張力と裏のバネで釣り合いを取って、ブリッジを浮かすような構造になっており(フローティング時のみ)、その際の支点となる部分は面積が狭いほどチューニングが安定します。
トレモロユニットはもともと安定したチューニングには弱く(そのため、使わないのであればアームはない方が良いです)、実際のところここ以外にもチューニングが不安定になる要因はたくさんあるのですが、それをひとつずつ潰した結果、二点支持のトレモロが生まれてきました。二点支持のものはチューニング安定性、滑らかなアームの動きに寄与しますが、音色がモダンになり、ヴィンテージっぽい枯れた風合いにはなりにくいとされています。
何を隠そう、この音色面での特徴こそ僕が狙った最大のポイントでした。よりレンジが下側に移行する可能性があり、より骨太になってくれるんではないかという意図があり、さらにはここ数年でアームを随分たくさん使うようになっているので、まさに今回の変更は僕自身のスタイルの変化をそのまま反映したものになります。
交換しました
さてこれが出来上がったあと。
色が黒っぽくなった分、より精悍になりました。ついでにボリュームノブもマイナーチェンジしています。
肝心の音はこれが見事に狙い通りになっており、VSVGのときにあった中高域に存在する急峻なピークが抑えられ、全体的にややフラットとなり、その分低域が増強して聞こえます。レンジの広さはあまり変わらず、パワーは若干上がった気がします。たかがブリッジでパワーにまで差が出るのもおかしな話なので、これは勘違いの可能性が高いですが。
想像以上にうまく行ったので、最近はこのギターを改めてたくさん弾いています。
今回は天満橋にある「ハドルギターズ」さんにお世話になりました。当教室の生徒さんにも何人かお世話になっている人がおり、良い仕事をしていただいたと思います。