ギター講座(16) チョーキング(ベンド)

初心者のためのギター講座もいよいよ第15回。今回の項目はチョーキングについてです。

チョーキングとは?

弦を上あるいは下に強引に持ち上げることによって音程を上げるテクニック。日本以外ではベンド(ベンディング)と言われ、持ち上げた際に弦が曲がって見えることから来ています。アコギではあまり使われませんが、エレキギターでは最重要テクニックで、これが出来ないと世の中の大半の曲が弾けません。

↑最後のほうでやってるやつです

これは上の動画のフレーズを譜面で表したもの。最後の方に出てきている「C」、「u」、「D」がそれに関連します。

チョーキング(C,Cho)


ほとんどが左手の薬指で行います。この譜面では2弦10fなので、薬指をまず2弦10fにおいて、余っている中指、人差し指を同じ弦上に起きます。場所はフレットの上とかでもどこでも大丈夫。

そして、そのままぐいっと上に持ち上げます。

よいしょっ!

指の力だけでは上がらないので、腕をひねるようにして力を加える感覚です。

コツ
・親指はネック上から出し、ネックを握りこむようなフォームにする
・その際に人差し指側はネック下に付いている(赤丸)が、小指側は付いていない(青丸)

・指を複数使う(可能であれば3本、最低でも中指、薬指の2本はつかいましょう)

上から見たチョーキング時のフォーム

コツは力をうまく伝えて安定したチョーキングをするためのもので、どれも大事な話です。

チョーキング時の音程

チョーキングはこの上で音程を気にしなければならず、通常何もない場合は1音チョーキング、「HC」と書いてある場合は半音チョーキング(Hはhalfの意)。「1HC」となっていると1音半チョーキングなど、詳しく音程が決められます。

1音チョーキングの場合はギターでいうとフレット2つ分の音程になるので、10fをチョーキングした音程が12fと同じになります。この辺は、しっかりした音程を会得するために、12fを一度鳴らしてから上げてみると、どれぐらい上げればよいのかがよくわかるはずです。経験的にはやはり「意外にたくさん上げねばならんなあ」と感じている人が多いですね。

チョークダウン(D)


チョーキングした音程をそのままもう一度下げて戻すのがチョークダウン。簡単そうで難しいのは、音を保ったまま戻すことです。

ここでは「u」のあとに「D」というのがあり、このDというのがチョークダウンです。DownのDですね。

ではそのまえのuというのは何なのかというと、これはupのuで、前のチョーキングで上げた音程をそのままにして、上がっている状態で弾くことを言っています。ここでは最初にチョーキングして上げて、その音程を保ったままもう一度弾いてそのまま下げるという作業になります。

チョークダウンの難しさは音を保ったまま戻すこと。戻す際に、上げている左手指の力を抜くのですが、その際に弦からも離れてしまって、音が消えたまま弦だけが元の位置に戻る、という風になっている人が非常に多いです。あくまで弦を押さえている力はそのままに、上向きに上げている力だけを抜いていくという作業でないと、音を保つことはできません。かといって、下向きに力を加えると、今度は行きすぎて下にチョーキングしてしまうので、これも御法度。なかなか微細な力のコントロールが必要です。

まとめ

チョーキングはエレキギターでは花形奏法。歪んだ音でのチョーキングはエレキギターのかっこよさが最大限に表れており、個人的にはパワーコードでのミュート刻みと双璧を成す、エレクトリックギター2大奏法の1つだと思っています。巷の曲でチョーキングしていない曲がほぼ無いのも結局それを表しています。

対してアコースティックではもともとの弦の固さ、減衰の早い音色もあって、あまり使われません。最悪一切やらなくても大して問題にならないのですが、その分、アコギでのチョーキングの練習はかなり茨の道になります。

 
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